甘いクスリ


 
「イベントの件なんだけど。」

今日も、都築と
サシの授業。

「ああ、例の奴ですか?」

「うん。都築、審査通過
したから、参加ね。」

「えっ?!やだよっ!!」

即答かい

「却下。」

断るなど許すものかっ。

「俺と一緒に
でてもらうから。」

「は?どーゆーこと?
ってか、出んのやだっ」

「講師演奏とは、微妙に
違うけど、そうともいう。
何曲かやるけど、都築には、
二曲、はいってもらうからね。」

断られるのが怖くて
おざなりな説明。

そして、音源を再生した途端
都築は固まった。

ま。そりゃ、そうだろう。

アコギで
しかもアンプラ経験者で

こんな選曲を平然と
やってくれるのは
カノジョしかいない。

鷹尾真月、おそるべし。


「これって・・・何・・・?」


そうだろ、そうだろ。


都築には、ジャンルも
微妙にわかんないだろう。

「アッシードジャズ。
今、鷹尾君が、譜面
かいてるよ。」

こんなアバンギャルドな選曲は
夫婦ライブでやってくれ
・・・









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