甘いクスリ
「・・・一体
どーなるんですか?」
宇宙にぶっ飛ばされたような
不安な表情をしている彼女に
吹き出しそうになった。
「三曲やる予定してるんだ。
一曲目が、鷹尾君の組。
二曲目が、俺と狩野さん。
順序は変更あるけどな。
で、三曲目が合同。
ギターは全員で、俺らを含め
十人位になるかな。
講師枠だから、相当うまい奴を
どのクラスもだしてくる。
うちは、都築と
他の曜日から一人。」
プレッシャーも適度に
与えておく。
ライブ自体は
見ているようだが
嘗めてもらっちゃ困るから。
最終枠のプレッシャーは
きっちり感じてもらう。
「先生。私、無理だよ
だって、鷹尾先生の譜面
ぜったい難しいんだもん」
血の気の引いた都築がいった。
「それを、カッコよく
弾けるようする為に教える為に
俺がいるんだけど?」
アイツの譜面通りにひくのは、
俺だって、普通に難しい。
だからこそ、
上手く見せたりだとか
聞かせるテクニックは
身につけてるんだよ。
ちなみに、狩野さんは透と、
鷹尾クラスから転籍した
七海をつれてくる。
ボーカルは里奈と真月
マジで楽しみにしてる。
俺自身、真月や透達と
やってみたかったし。
都築にも、きっと
いい経験になるはずで。
「なあ、都築、
一緒に出よ?」
必殺の表情をみせれば
戸惑いがちに
彼女はうなづいた。