甘いクスリ
とある夜
仕事終了後の突飛な訪問
いけない癖だとわかってる。
だけど、音楽の事になると
ツイツイやっちまう・・・
ピーンポーン
お世辞にも、
女の子が好みそうな
小綺麗には程遠いマンション
その一室に
都築の部屋はある。
ノンアポで
突然訪問した俺を
彼女は、扉に手をかけたまま
ポカ〜ンとした
表情でみつめた。
「先生?!どーしたの?」
「ギブソン(メーカー名)
連れて来た。」
「はいっ?!」
そりゃ、驚くよなぁ。
こんな時間だし。
「フレット位置とか、
早く慣れた方がいいから。
ちょっと、使用上の注意なんか
説明しておきたかったんだけど
今、いい?」
強引に切り出せば。
「あっ・・はい。
あの、ど−ぞ。」
うろたえまくった彼女が
ギターケースを受け取り
部屋にあげてくれる。