甘いクスリ
かなり、常識はずれな時間に
訪問してるのは
わかってる。
風呂あがりであろう都築からは
ほんのりあわい石鹸?
ボディーソープの香りがして、
髪だって生乾きで。
・・・ってか
「都築。俺がいうのも
なんなんだけどさ。」
「はい?
あ、先生もいりますか?
ちょっとのぼせちゃって。」
お茶を飲みながら、
彼女は苦笑した。
「いや、すぐ帰るから。
って、そうじゃなくって!
こんな時間に、男、
部屋にいれちゃダメだと
思うんだけど・・・
無警戒にドアあけんなよ。」
襲われても文句いえねぇよ?
我ながら説教じみた台詞に、
ギターに目をやり
視界から都築を逃がす。
「・・・ほんとですね。
気をつけなくっちゃ。
先生だと思ったら、
安心しちゃって。」
思わぬ言葉に目を見開き
彼女の方へ、バッと
顔を向けたのだが。
・・・こちらに背を向けて
冷蔵庫からお茶をだしてるし
あんまり
脅かさないでくれ。