甘いクスリ
「お貸ししたいのは
ヤマヤマなんですが。
・・・明日給料日で・・
私も、今、二千円しか
ないんです。」
都築の目が
泳いでいる。
残念ながら、
それでは帰りつけない。
・・・それにつけても
女の子の口から
んじゃっ、泊まりで
なんて言わすのは
余りにも残酷だよな。
「んじゃ、悪いけど
お泊りで宜しく・・・
その辺の床でいいし。
贅沢いわないしっ。」
「あっ、いえっ。どうぞ。
ってか、先生、明日は休み?」
「うん。」
一緒ですねって、
彼女は乾いた笑みを浮かべる。
都築、なんか、すんごい
テンパってるよな。
・・・俺も
にがてなんだよ。
普通に、過ごすのって。
だから、テキトーに
快楽に走ったりとか
ごまかしてきたんだけど。
さすがに・・・
大人だとはいっても
社会的に生徒だしな・・・