甘いクスリ
子供ぢゃあるまいし
ゲームや漫画で一夜は
ないだろう?
って、俺は
普通じゃないのかな。
「そういえば、先生、
晩ご飯、食べたの?」
何か考えていたらしき都築が、
思い出した様に尋ねる。
「あまだ。
・・・おなかすいたな。」
そういや、今日の行動って
朝から全てが突発的だった。
起きぬけに、コイツにギターを
持ってってやろ〜って、
思い付いて。
ひっぱり出して、メンテして。
時間ギリで、そのまま出たから
今日、何も食ってねぇや。
仕事の後も、何となく、
ノンアポで行こうとか思って。
留守だとか、全く想定せず
ここに、普通にいるもんだと
思い込んで。
あぶないぞ、俺。
ぼーっと思い返してたら
目の前の彼女が不思議そうに
みていた。
「先生、最近、
よくトリップするよね?
話全く聞いてなかったでしょ?
なんか作っておくから、
シャワーどうぞ。
走ったから暑いでしょ?」
「あ・・・でも
着替えとかないし・・・」
・・・俺は、
何を照れてんだ。
自分にちょっと驚く。
「ああ、パジャマなら・・・
ありますよ?」
そういって、彼女は、
寝室からもってきて、
新品のそれの袋を開封した。
「・・・オッサンなデザイン
ですけど、我慢してください。」
そういって。