甘いクスリ
「堂野先生、お疲れ様。」
そういって、
真月が、カウンターに
もたれかかっていた
俺の隣に座る。
「お疲れ〜。相変わらず、
テンション高いな。
キミたちは。」
若干呆れを、含めてしまう。
「うん音合わせの後は
こんなモンでしょ。」
「いつもだろーっ。」
よくぞいいやがった。
お前らは、大方
楽しそうだぞ。
「あらっ?言ったわね。
ご希望とあれば、もっと
虐めてさしあげるわよ?」
真月は、意味深な
眼差しと笑みを向ける。
・・・いやだっつーの。
それなら、根も葉もない
乱れた噂を流されるほうが
いくら良いか、しれない。
・・・って、あ。
「ちょい、真月、頼むから、
さっき言った奴、
鷹尾君には言わないで。」
「さっきの?」
「そう。耳打ちした奴」
「ああ。素直に好きだって
言っちゃえば楽なのにって奴?」
・・・声がデカイ・・・
無駄に?通る声だってのを
もうすこし、自覚しろ
「何で言わないの?」
そりわ、おまえさん達が
規約違反なだけですから
パンダちゃんだから、
キミは認められたとしても、
次はないんですっ!
ってか、鷹尾が辞めるから
それまでだってのも
あったんだけどね。
けど、俺はそんなわけには
いかないのっ!
食いっぱぐれる。