甘いクスリ
先生が、無理をしなきゃ
向き合えない様な
関係の人だと悟った。
「よかった。
晴紀、・・・ちゃんと
恋人できたのね。
心配してたんだから。
偽カノ募集してるとか
噂、きいたもんだから。」
先生の眉間に、
微かにシワがよった。
初めてみる表情
「マリは?
アノあと直ぐ、結婚したって
聞いたけど。」
「そうよ。
でも、半年で離婚した。
その後も何人かつきあったけど
ダメね。
ちっともうまくいかない。」
・・・なんか
凄い話になってきた
こんな所に
座ってる場合じゃ
ないんだけど(>_<)
誰か、助けてっ
って、思った瞬間
真月さんが
思い浮かんだ。
・・・なんで?
きっと、あの日の記憶だ。
『不満なら、変わればいい』
動かなきゃ、かわんない。
そう、言ってくれた人。
何とか、口を開きかけたけど。
「わたし・・・
なんで、別れちゃったんだろ。」
彼女が、ぽつりと
つぶやいて。
声こそ、明るかったけど。
わたしに、
気を遣ったんだって事は
切なげな瞳でわかって。
私は、言葉を飲み込んだ。