永遠の彼方に 《神に愛された少女》
最初は、怖かったが、始めて乗る馬に
必死に掴まるうちに馴れてきた。
夜のリネージの森を、灯りもなく馬を走らせる。
(よくこんなに暗い森を月明かりだけを頼りに走れるのだろうか?
月明かりにしても、森の木々が邪魔して、
ほとんど無いに等しい。
懐中電灯が欲しいよ。)
暫く行くと、木々が開けた場所に、泉が見えた。
泉の近くに、馬を止めて、皆が、馬から下りた。
美琴も、馬から下ろしてもらうと、先ず景色に心を奪われた。
『きれい…』
『あぁ…素晴らしい景色だ。』
全員が賛同した。
泉の上は、星空に月が妖しく輝きを放っている。
泉はそれを映し出していた。
『幻想的。』
(ある意味この世界も、幻想的なんだけどね。
何処から現実で何処までが幻想か、わからなくなりそう。)
美琴達は、皆と、会話を楽しみながら、
これから起きる何かを待っていた。
満月がちょうど泉の真ん中を映し出したころ異変が起きた。
泉に浮かぶ月が、輝きを増してきた。
「ビンゴだな」
アランが、この場所で正解と言いたいらしい
『何が起きるか、わからない。
皆気を抜くな!!
美琴は私の側から離れるな。』
美琴は頷いて、カイルの側に行く。
皆、緊迫した面持ちだ。