永遠の彼方に 《神に愛された少女》
歌姫が歌えば、鳥や蝶などが、まるで舞を踊っているかのごとく、歌姫の周りを飛び回り
風に靡く藍色の長い髪が、
太陽の光を浴びて煌びやかに美しさを纏い
人を…精霊をも魅了させる。
名前のごとく、
美しい琴の音色のような
旋律が城中響き渡り
その歌に誰しも魅了させる。
※※※※※※※※※
歌い終わった美琴は恥ずかしげに頬を紅く染めて俯いた。
《いやぁ…流石聖姫様だ。
大地、風、草花や木までも
生きる者全て歓喜に騒いでているぞ》
改めて周りを見渡せば、
鳥や蝶が美琴の周りを飛び回っていて、
耳を澄ませるとお喋りをしていた。
《聖姫様の歌は最高でしたわ》
《えぇ素晴らしかったですわ!でも、私の舞が良かったから最高の出来になったのよ!!》
《あら…私の方が………》
『…………』
話しの内容は人間界にありがちな会話だが、
鳥や蝶がする会話か?
何とも現実離れした光景だ
「美琴様~!!貴女という人は、
なんて素晴らしい人なのでしょう。
感謝しても、したりない程です。
美琴様にお礼がしたいです。」
美琴は小首を傾げた
『イリュウさん!!!どうしたのですか???』
突然、イリュウが現れ、美琴を抱きしめながら訳の分からない事を言い始めたので美琴は狼狽えた。
『イリュウ離れなさい。』
カイルはイリュウの異変に怪訝に想ったが
それよりも美琴に抱きついていることの方が嫌悪感を抱いた。
「あ!!し、失礼しました。
余りに嬉しかったのでつい…
ご無礼をお許し下さい。」
深々と頭を下げるイリュウだが
何がそんなに嬉しいのかサッパリ分からない
『イリュウ何があったか申せ!』