永遠の彼方に 《神に愛された少女》
家族
『私此処に居て良いのでしょうか?
クルトに狙われていたとしたら皆さんの安全を脅かす事になる
これ以上迷惑かけたくないのに……ごめんなさい』
『何故美琴が謝る?美琴は悪くないから謝る必要などない。
それに迷惑だなんて誰も想ってない
美琴は私の大切な家族だ!!
皆も美琴を家族だと想ってる筈だ!!』
「そうだよ!!俺等は宮殿で一緒に暮らす家族じゃないか此処は美琴の家なんだよ!!」
『アランの言う通り、それに私達は家族を護るのは当たり前の事だ
だから迷惑だなんて想うな』
カイルの言葉はどんな慰めの言葉より美琴が一番欲しかった言葉だった。
(私には“家族”と呼べる人はもういない、だから、私の全てを受け止めて欲しい)
『ありがとう…カイル、アラン
皆さんに私の全てを知って受け止めて欲しい
私は此処に居たいから
だから私の話し聞いて下さい。』
『分かった!!でも、無理するな!?』
美琴は小さく頷いて話し始めた。
『五歳の時両親が亡くなり、私には祖父母もいなかったから
見たこともない親戚に引き取られ、家の手伝いをして、
1日一食しか食べさせて貰えなく、何時もお腹を空かせていた事を今でも覚えています。
その家には10歳までいました。
次に引き取られた家は子供のいない夫婦の家でした。
其処では家の手伝いは勿論の事、私が失敗したり、気に入らないと言うだげで殴る蹴るで躰中に痣が絶えなかった。
そんなような感じであちこちの親戚を転々としていました。
学校でもずっと女子から虐められて、私の居場所は学校にも、家にも何処にもなかった。
16歳になって、耐える事にもう疲れてしまい両親の所に行こうかなって想うようになり
あの夜公園にいた時、金色の光が現れてカイルの居るこの世界に飛ばされたのです。』