観覧車大作戦【短編】

どうしようかな、と首をひねった。

シャワーが終わるまで待ってもいい。

でも、十月半ばの真夜中、冷たい風にさられながら待っているのは、いささか肌寒い。


ドアノブをひねってみた。


ガチャリ……。


開いていた。


無用心だな。


待てよ。

彼の部屋で待っていて、驚かすっていうのもいいかもしれない。


でも、それはやめた。


勝手に家に上るのをためらったわけではない。


玄関に、一人暮らしの男性にはおよそ不似合いなモノがあったからだ。



白いヒールがあった。

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