観覧車大作戦【短編】
す……鋭い!
さっき透と目が合ったのを見られていた?
それで、女の勘で察した?
この女、できるな……。
「な、何言ってんだよ。
そんなのあるわけないだろ?」
透はあわてて手を振る。
「じゃあ、いいじゃない。けってーい!」
女はうれしそうに両手を合わせた。
「……わかったよ」
透はあきらめたように言った。
どうやら腹をくくるしかないようだ。
案ずることはない。
透も隠すつもりでいるのだ。
見知らぬふりをしていれば、鈍感な健二にはバレないはず。
大丈夫、きっとうまくいく。