観覧車大作戦【短編】
「どうぞ。お乗り下さい」
係員に案内され、私たち四人はゴンドラに乗り込んだ。
一応予定通り、私たちは最後の乗客だ。
「じゃあ、先乗ってくれる?」
健二に促されて、私が最初にゴンドラに乗り込んだ。
向かって左側のシートの奥に座った。
健二は私の右隣に座った。
続いて透がゴンドラに乗り込み、右側の奥、つまり私の正面に座った。
最後に、透の左隣に連れの女が座る。
ゴンドラのドアが、鉄のこすれあう音とともに閉められた。
十五分間の密室空間ができあがった。
私の背中側を進行方向に、ゴンドラは上っていく。
ゆっくりと、ゆっくりと。