観覧車大作戦【短編】

「どうぞ。お乗り下さい」

係員に案内され、私たち四人はゴンドラに乗り込んだ。

一応予定通り、私たちは最後の乗客だ。


「じゃあ、先乗ってくれる?」

健二に促されて、私が最初にゴンドラに乗り込んだ。

向かって左側のシートの奥に座った。

健二は私の右隣に座った。

続いて透がゴンドラに乗り込み、右側の奥、つまり私の正面に座った。

最後に、透の左隣に連れの女が座る。


ゴンドラのドアが、鉄のこすれあう音とともに閉められた。


十五分間の密室空間ができあがった。


私の背中側を進行方向に、ゴンドラは上っていく。


ゆっくりと、ゆっくりと。


< 20 / 61 >

この作品をシェア

pagetop