観覧車大作戦【短編】
作戦その二、『肩にそっと!』だ。
これもなんてことはない。
ただ、健二に寄りかかって、肩に頭をのせるというものだ。
そもそも、告白する前に一番不安なことは何か?
もちろん、相手が自分のことが好きなのだろうか、ということだ。
健二にしたって、私の気持ちくらいうすうすは気づいているはずだ。
ただ、頭では理解できていても、どうしても不安をぬぐいきれない。
だから、そういう不安を取り除いてあげることは、告白される側の礼儀ともいえる。
ほんのちょっとしたことでいい。
手を握ってみたり、肩に寄りかかってみたり……。
そういうささいな雰囲気作りが、「告白しよう」という決意につながるのである。
でも……
やっぱり、透のことが気になる。
神様も、なんて残酷ないたずらをするのだろう。
せっかく過去の恋を忘れ、新しい恋に踏み出そうとしているときに。
ひょっとして、私はまだ透のことを引きずっているのだろうか?
自分で自分の気持ちがよくわからない。