観覧車大作戦【短編】
七階のオープンカフェに私たちはいた。
テーブルの前には、健二が座っている。
健二とのデートは、これで三度目だった。
三度目のデートで告白するというのは、王道のパターンだ。
だから私は、今日という日を最高の状態で臨んだ。
茶色の髪は、黒髪に戻した。
みんな髪を染めたがるけど、大抵の男は黒髪が好きなのだ。
少し巻きを入れていたパーマも、ストレートにあて直した。
コートの下は、タートルネックのノースリーブを選んだ。
生地は、白くて光沢のあるモヘア。
スカートはもちろんバーバリー。
ちょっと、狙いすぎな気もするけど、これくらいがちょうどいい。
男なんて単純な生き物だから。
特に、健二は地方出身であか抜けない男。
今日のチョイスは間違いないだろう。
私たちは大学の二年生で、同じテニスサークルに所属している。
実のところ私は、最近まであまりサークルに参加していなかった。
けれど、一ヶ月前に元カレと別れて以来、頻繁にサークルに顔を出すようになった。
それがきっかけで、いつの間にか私は健二を好きになった。