観覧車大作戦【短編】
結果
十秒後、ゴンドラのライトが点灯した。
観覧車は、ミシミシと音をたてて動き出した。
私は我に返り、あわてて透を払いのけた。
そのまま自分のシートに座り落ちる。
体を窓側に向けて、顔をそらした。
きっと健二は私を見てる。
背中に当たる視線が痛かった。
早く弁解しないと……!
キスを仕掛けてきたのは、透なのだ。
大丈夫。
弁解すれば、きっと健二はわかってくれる。
でも……
キスされたとき、私はすぐに透を払いのけなかった。
それは、なぜ?
私、まだ透のことが……
もうどうしていいかわからない。
誰か、教えてほしい。
私の気持ちを教えてほしい。
そのときだった。
「大成功ね」