観覧車大作戦【短編】
「そういうことだったのか!」
残った透が、自分の太ももをパチンと叩いた。
「どおりで観覧車に乗ろうだなんて、おかしいと思ってたんだ」
透には事態が飲み込めたようだ。
「ちょっと、透。どういうことなのよ?」
やっと質問できる程度に頭の中が整理された。
「あら? あなたたち、知り合いだったの?」
連れの女が、いたずらっぽく口をはさむ。
「え、いえ、その……」
「もう、いいだろ。そのへんで」
透が彼女をいさめる。
「うふふ。ごめんなさい」
何? 何?
いったい、どうなってるのよ?