観覧車大作戦【短編】
「それにしても、あんたも姉の目の前で、キスするなんて度胸があるわね」
あ……姉!?
どういうこと!?
この女は、透の姉だっていうの?
ということは、あの夜、透の部屋にいたのもこの姉……?
「ちょっと、健二。どういうことなの?
説明しなさいよ」
私は健二に向き直った。
口ぶりからして、健二も共犯のはず。
「あ、いや、それは……」
「姉ちゃんとあなたで仕組んだことなんでしょう」
透が言った。
「まあ、そういうことに……なるかな」
「そうなの? あなたとこの人とで――」
私は健二を問いつめる。
「さ、早紀さん」
健二は透の姉に助けを求める。
彼女は早紀という名前らしい。
「私が説明するわ」
早紀は私に顔を向けた。