観覧車大作戦【短編】

「これ、あげるよ」

健二はテーブルの上に小さな箱を置いた。

細長い箱で、かわいくラッピングされている。


驚いて、キャラメルマキアートをすするストローから口を離した。


「その……クリスマスプレゼント」


健二は照れながら言った。


「ありがとう!」


私は両手を合わせ、大げさに喜んだ。


やっぱりだ。


健二は絶対私に告白してくる!


「開けていい?」

「え? うん、いいいけど」

「じゃ、開けるね」


ワクワクしながらラッピングをほどく。

箱を取り出し、パカリと開けた。


ネックレスだった。


手に取って、目の前にかざした。

チューリップをかたどったネックレスだ。

私は花が好きで、つい最近まで花屋でバイトをしていた。

それで、健二は花のデザインを選んだのだ。


中でもチューリップを選んだのは――


そうか!


愛の告白だ。


チューリップの花言葉は、愛の告白なのだ。
< 4 / 61 >

この作品をシェア

pagetop