観覧車大作戦【短編】
「これ、あげるよ」
健二はテーブルの上に小さな箱を置いた。
細長い箱で、かわいくラッピングされている。
驚いて、キャラメルマキアートをすするストローから口を離した。
「その……クリスマスプレゼント」
健二は照れながら言った。
「ありがとう!」
私は両手を合わせ、大げさに喜んだ。
やっぱりだ。
健二は絶対私に告白してくる!
「開けていい?」
「え? うん、いいいけど」
「じゃ、開けるね」
ワクワクしながらラッピングをほどく。
箱を取り出し、パカリと開けた。
ネックレスだった。
手に取って、目の前にかざした。
チューリップをかたどったネックレスだ。
私は花が好きで、つい最近まで花屋でバイトをしていた。
それで、健二は花のデザインを選んだのだ。
中でもチューリップを選んだのは――
そうか!
愛の告白だ。
チューリップの花言葉は、愛の告白なのだ。