観覧車大作戦【短編】

「それでも……」

まだ透は納得がいかない。


「まあまあ。聞きなさいよ。
それでね。
あんたの相談を受けているうちに、千佳さんが入っているサークルのことを知ったの。
千佳さんは知らなかったと思うんだけどね。
実は私、去年まで千佳さんと同じテニスサークルに入っていたのよ。
千佳さん、一年生の頃はあんまりサークルに来てなかったでしょ?
私も四年生で就活とかあったし、ほとんど顔を出していなかったからね。
透に聞くまで知らなかったの。
それで、私が知っている数少ない現二年生の上野君がいたのを思い出したの」


健二と早紀は面識があったのだ。


「上野君に電話したら、最近千佳さんとも仲がいいっていうじゃない?」


「それでこの計画を思いついた?」

透が聞く。


「そういうこと」

早紀はにっこり微笑んだ。
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