観覧車大作戦【短編】
「でも、姉ちゃんもひどいな。
せめて俺だけには、先にその計画を話してくれればよかったのに。
それだと、もっとスムーズにことが運んだかもしれないのにさ」
「何言ってんの。
それだと、フェアじゃないでしょ」
「フェア?」
「千佳さんだけが知らないなんて、フェアじゃないわ」
よくわからない理屈だ。
こんな回りくどいやり方を取ったのも、結局のところ、面白くして楽しみたかっただけだろう。
まったく、いたずらっ子な姉だ。
「あら、もうすぐ着いちゃうわね」
窓の外を見て、早紀が言った。
いつの間にか、終点近くまで来ていた。
ゴンドラがフロアと平行になると、私たちは降りた。
私たちが最後の客だ。
年配の係員がやってきて、ゴンドラが停止したことに対し、何度も謝られた。
とにもかくにも、長い長い十五分だった。