観覧車大作戦【短編】
「そのガラスの花びら、取り外して交換できるんだって」
健二はネックレスのガラスの部分を指差した。
シルバー製だけれど、花びらの部分だけガラスでできている。
ガラスの色は黄色だった。
箱の中を見ると、取替え用のガラス製の花びらが入っている。
赤、白、紫の三つのスペアがあるらしい。
「千佳ちゃん、黄色が似合うかなぁって思って」
「そうかな?」
「うん。似合ってるよ」
「じゃあ、今つけていい?」
「え? 今?」
「うん」
「あっ。やばい。もう時間だ」
健二は腕時計を見て、あわて始めた。
「もう、十時二十分だよ。急ごう」
「そっか。急がないとね」
仕方なくネックレスをつけるのはあきらめた。
メインはやっぱり観覧車の中だ。
そこで、健二は告白してくるはず!