観覧車大作戦【短編】
「それは……」
私は口ごもった。
まさか、健二から告白されるのに邪魔だったなんて言えない……。
でも、嘘はつきたくなかった。
あのときの健二に対する思い――
たとえ、透のことを忘れようとした恋であったとしても、その思いは真実であったと思うからだ。
きっと――
そのとき、私は誰かにぶつかった。
そのひょうしにトートバッグを落とした。
中のものをぶちまけてしまった。
「もう」
私はかがんで、ぶちまけたものを鞄にしまい始めた。
――!
箱から飛び出したあるものが目に入った。