観覧車大作戦【短編】

チューリップのネックレスだった。


私はネックレスを手に取り、しばし見つめた。


そういえば、どうして健二はこれを私に渡したのだろう?

透との仲を取り持つためなら、こんなものを渡す理由はないはずだ。


「チューリップの花言葉って、知ってるよな?」


不意に透が言った。


「これでも一応、花屋でバイトしてたのよ。
チューリップの花言葉は、愛の告白……」


「それは、赤のチューリップだろ?
黄色のチューリップは違うだろ?」


私が手にしているチューリップのネックレスは、黄色の花びらをつけていた。


黄色のチューリップの花言葉……。


どういう意味なのだろう?


そうだ。

説明書があるはずだ。


箱の中に説明書を見つけ、取り出した。


見ると、花言葉も書いてあった。


私はその言葉をじっと見つめた。




私はバカだ。

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