観覧車大作戦【短編】
心のどこかで私は、健二のことを恥ずかしいと思ってた。
透みたいに、背が高く、かっこいいわけじゃない。
ファッションセンスも悪く、さえない男。
一緒に街を歩くなら、透のような男の方がいい。
それでも、純粋でまっすぐな健二を、私は好きになった。
その気持ちは、決して偽りなんかじゃない。
それなのに私は、自分から告白するのが嫌だった。
振られるのが怖かった?
いや、違う。
怖かったんじゃない。
恥ずかしかったのだ。