観覧車大作戦【短編】
(健二なんかに告白して、しかも振られてるし)
そんな目で周りから見られるのが嫌だった。
くだらないプライドがあったのだ。
(え~。どうして、あんなのと付き合うわけ?)
そんなふうに周りから言われても、
(あっちが告ってきたし、暇だし付き合ってあげよーかなぁって)
そんな予防線を張りたかったのだ。
自分を守るために――。
だから、健二に告白させようと、あの手この手と作戦を練った。
でも、本当に好きなら、くだらない小細工なんかいらなかったのだ。
素直に自分から気持ちを伝えればよかったのだ。
結局私は、自分のことしか考えていなかった。
健二がどんな思いで、私と透を仲直りさせようとしていたかも知らずに……。
説明書を持っていた手がプルプルと震えた。
黄色いチューリップの花言葉……
かなわぬ恋――。