観覧車大作戦【短編】

覚悟はできていた。


こうなるとわかっていて、そうしたんだ。


彼女の恋のアシスト――


それをすることができただけで、

彼女の笑顔をつくることができただけで……


それだけでよかったんだ。



それで……



本当によかったのだろうか?



ただ、僕は自信がなくて、勇気がなくて。


それが彼女のためになると、自分に嘘をついて――


本当に彼女のことが好きなら、他にも選択肢があったはずだ。



答えは1つ。



迷いは雑踏に消えた。



改札に背を向け、僕は走り出した。
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