観覧車大作戦【短編】
へ……あいのり?
私たちと一緒に、観覧車に乗るってこと?
ちょっと、美穂!
いったい何考えてんのよ?
打ち合わせと違うじゃないの!
美穂は私の視線に気づくと、またウィンクをした。
どういうことなの?
待てよ……。
そういうことか!
あいのりになるってわかったら、この女もあきらめるはず。
そういう作戦か。
やるじゃん、美穂。
「よろしいでしょうか?」
美穂は自信たっぷりの表情で女に聞いた。
さあ、あきらめなさい。
「私はかまいませんよ」
その女は即答した。
な、な、な、なんで、オーケーするのよ!
「え? そ、そうですか?
ご、ご協力ありがとうございます」
美穂もあわてている。
美穂のバカ!
なんとか断りなさいよ!