波乱馬上恋愛★
「…ったぁい」

倒れた体を抑えて頭を抱えている。

焦る俺。

「頭打ったのか?大丈夫か??」

俺はしゃがんで顔を覗き込む。

そんな俺に気づいて女も俺のほうを見る。

俺が思ったより顔が近くて、女の大きな目に

ドキッときた。

「だ、大丈夫です…」

差し出す俺の手を借りて立ち上がる。

「あの、あなたも今日試験受けに来たの?」

俺の制服を指差して言う。

「え?あ、あぁ、まあそんな感じ」

俺はなんだか目をあわせられずに、頭をかいて
そっぽを向く。

「あっっ、切れてる」

俺の指を見て鞄の中から絆創膏を取り出す。

「いいって、このくらいすぐ直る。」

「だめだよ、ちゃんと手当てしなきゃ」

そういって俺の指にはかわいらしい
キティちゃんの絆創膏がつけられた。

「…男の子だからやっぱ嫌か??」

「いいんじゃねぇの?かわいくて」

しばらくの沈黙の後、俺たちは笑いあった。
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