だけど、徐々に近づく手…


その手は、夏の手にゆっくりと絡み合っていった。




夏は、その温かさに甘えてしまった。



もう、何もかもがどうでもよかった。






大切な人が、病気という大きな壁にぶち当たってしまった。


その壁を乗り越えられない…今の夏では…



それは、2人で乗り越えるのにね。。





乗り越えられるかどうか分からない、不安な時間。

その時間は夏の心をも揺らしてしまったんだ。。




彰という人に出会って。


将を思い出して…。




幸せだった時間を思い出して…。









優しくて優しくて…


どこか将に似ている…


そしてどこか

春に似ているんだ…。







好きなんていえない。

思えない。



だけど、大切な人が、1人増えた。。

夏を守ってくれた。


だから、大切にしなければいけないと思うんだ…。












< 166 / 186 >

この作品をシェア

pagetop