『ごめんな。俺…』

『いぃょ…私こそごめんね。』


そう言った彰の手はゆっくりと離れていった。



どこか寂しかった。

大切な人が夏の目の前から消えてしまうみたいで…


みんな離れていくみたいで。




ケータイを開くと愛からメールが来ていた。

何年ぶりだろうか…




旬とまだ続いているらしい。


20歳になったら結婚するって。。




ずっと幸せに…






夏の幸せは一体なんだろう。


きっと、春の病気が治ること。



ここに居てはいけない。

春のところに行かないと。





『彰、ごめん。私、行かなきゃ。』


罪悪感ばかりが残る。


『分かってた。最初から。行かなきゃ行けないこと。』


『ありがとう。』




『辛いときは、俺にいつでも相談して。』

『ありがとう。。』


涙がこぼれる。


『泣くなぁ』


『うん。』









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