春の血まみれになった体は真っ白な包帯に包まれていた。



白い包帯に少しだけ赤い液体が染みているリアルな光景。。


春が事故にあったことを実感させられた。




夏は隣のイスに座り、春の手を握った。




春はゆっくりと目を開けた。



『春…?』


『え??』


『夏だよ!分かる!?』




『夏…って。。。』





『夏だよ!!虹!一緒に見るって…』


『虹?』


『ぅん!』


そう言って神様を信じて窓越しに空を見た。



虹が出ていますように と…




でも、神様はそんな願いを受け入れてはくれなかった。

今、空は…


真っ黒。

そしてザーザーの雨。





『俺…分からないんだ…』


『え…』










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