『短編:ついでのメリークリスマス』
「俺は、聖香だから好きなんだよ。
可愛くないとこも、たいしてもてないとこも。
けっこうわがまま言うとこも。自分で性格もいまいちだと思うって言っちゃうとこなんかも。
全部!」
「はあ~?」
意味わかんない。
全部って何よ。第一褒められてるのか、けなされてるのか、どっちなわけ?
人和は相変わらずにこにこと人のよさそうな顔を浮かべてて。
はぁ~。
私は、軽くため息をついた。
・・ま、いっか。多分、褒められてるんだよね。言葉が足りないだけで。
よく考えれば、人和の口から女の子に気の利いた台詞なんて出てくるわけがない。
期待した私が馬鹿だった。