『短編:ついでのメリークリスマス』
不意打ちなんて卑怯じゃない?私泣いたりしないから。

不意打ちをくらってしまった。

私がさんざん馬鹿にしてた、こんな格好悪い男に。


「聖香?どうした?」


どうもするわけないじゃん!

なによ。

いつもダサイくせに。

人和のくせに。


「お、おい!聖香!どうしたんだよ。何で泣くんだ?」


おろおろしちゃってさ、ばっかみたい。

ほんと、ばか人和。


うるさいイルミネーションが、ぼやけて全然見えない。

きっと周りの人たちが何事かと私たちを興味津々に眺めているんだろうけど。

気にせず人和の首筋に抱きついた。

力いっぱい。


「う、うわっ!なんなんだ?おいってば」


ちょっと黙りなさいよ。

少しはムードってものを考えたらどうなの!



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