『短編:ついでのメリークリスマス』
「なぁ~。聖香?」
うるさい。
「なんか皆にじろじろ見られて恥ずかしいんだけど」
人和の方がしょっちゅう恥ずかしいことしてるでしょ。
「困ったな」
困ったのはこっちなの。
こんな、こんな大勢の人の前で、なんで私からこんなこと言わなきゃいけないの。
私は、思い切り引き寄せた人和の耳元でつぶやいた。
「人和。ありがとう。
だいすき・・・」
「え」
人和の頬から私の頬へと、体温以上に暖かいものが流れ込んできて。
本当に、名前の通りだね。
人を和ませる。
大好きだよ、人和。