『短編:ついでのメリークリスマス』
と、突然部屋の明かりが消えて真っ暗になった。



・・何?停電!?



せっかく楽しんでいるのについてないな、なんて思った瞬間。


どこからともなくハッピバースデー、トゥーユーと歌う声がして。


「人和?」


声の方角を見ると、なにやらうすぼんやりと明かりがともっている。

それが蝋燭の光だとわかったときには、それはすでに私の目の前にあって。

最初は人和一人で歌ってたのに、いつの間にか人和のお母さんと和美ちゃんの声も混じっていて。



・・え?何?



目の前の展開に頭がついていけない。


だって、これ、ケーキだよ?

なんでメリークリスマスじゃないの?

なんで“聖香誕生日おめでとう”、ってチョコプレートが乗ってるわけ?


「ほら、聖香!早く吹き消さないと、蝋燭が融けるって」



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