芸能人に恋をした!?
突然
「やば~!!寝坊した!!」
わたしは昨日決めておいた服に着替え、茶色い長い髪を急いで巻いた。
「あ!!明日香に電話しないと!!」
電車の中で鞄から携帯を取り出し明日香に電話をした。
「おっそーい!!今何時だと思ってんの!!」
「ごめん明日香!!寝坊した!!もう少し待ってて」
わたしは電車を降りたと同時に××ドームへと走った。
とその途中、人とぶつかり転びそうになったわたし。
でも、帽子を被った人に助けてもらった。
わたしはふと顔をあげた。
すると、きれいに整った顔がすぐ近くにあった。
こういう顔の人をイケメンというのだろう。
わたしは思わず見惚れてしまっていた。
が、その人が男だと分かった瞬間とっさに突き飛ばしてしまった。
わたしは何故かその時、ドキドキしていた。
その気持ちに驚いてお礼も言わずに走っていた。
××ドームに着くと、明日香が怒りながら待っていた。
「おっそーい!!もうすぐ着くって言ってたのに!!」
「ごめんごめん!!ちょっとね……」
「もういいから早く入るよ!!」
「うん…。」
わたしはコンサート中でもあの人のことを考えていた。
さっきお礼を言わなかったこともあるけどそれよりもっと
一番気になることがあった。
それは、さっきわたしの胸がドキドキした理由。
今までに男の人を見てドキドキしたことは一度もなかった。
なのにさっきは―――。
なんなのこの感じ!?
もしかして…これが一目惚れってやつなの!?
いや、それはないよ…ね?
うん違う絶対違う!!
わたしが険しい顔をしていたのを明日香が見て
「楓李どうしたの?!具合悪い?」
「ううん大丈夫だよ!!」
わたしはこの気持ちが分からないから忘れることにした。
でも忘れられなかった―――。
モニターを見てみるとさっき助けてくれた人がいたからだ。