蝉の恋
飲み会から帰って来た後。
彼に抱かれ、帰ってきた夜。
それからフと孤独を感じた時、私は寂しくなる。
寂しくなると、それからはもう螺旋状にオチていく。
ひたすら、ひたすら寂しくなって涙が頬を伝い始める。
そんな時、本当に泣き出してしまう前に私は携帯電話を手に取る。
電話をかける相手は固定してないけど、頻度はそれぞれ大分違う。
この時間ならあの人はまだ起きているだろう。
アドレス帳から電話番号を引き出して通話ボタンを押す。
4コール目で彼は電話に出た。
「も~しも~し。」
少し明るめの私の声、彼はアニメみたいな声って言っていた。
可愛い、とは言ってくれなかったから、それが褒めてるのかけなしてるのかは分からないけど…。