蝉の恋
そんなどうでもいいやり取りをしていると、来客を知らせるチャイムが鳴った。

三人目の到着だろう。


はいは~い。お出迎えに向かおうとすると、背後からバホッと何かが投げつけられた。

バスタオルだった。

「阿呆」とトシアキはため息をついている。

考えるまでもなく私は裸だ。

まぁ、ワザとだけどさ。

ワザとだから投げつけられたタオルはノシを着けて返しておく。

「はいは~い」

ため息をつくトシアキは置いておいて、ドアに向かう。


ドアを開けると思った通り三人目の参加者がいた。

「うおっ。ネエさん大胆ですね。流石…。」

三人目は軽くのけぞったあと尊敬の眼差しで私を見る。

まぁ、ボチボチの反応だろう。流石の私も長い時間、裸でドアを開けたままではいられないので素早く三人目を通す。

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