蝉の恋
ともあれ、男二人の紹介はすんだので私は一度、シャワーでも浴びることにする。

二人にその旨を伝え、バスルームに入る。

シャワーを浴びて一度さっぱりしたかったという理由もあるが、正直に言えばあの二人がどんな会話をするのかが聞いて見たかった。

その為にバスルームのドアも薄く開けてきた。

案の定シャワーの音に混じって男二人の会話が聞こえてくる。

「今日はよろしくお願いしますね。兄さん」

三人目はトシアキのことを違和感無く「兄さん」と読んでいる。

アイツのことだからこのまま通す気がする。

「俺のことは弟と呼んでください」

この際だ私も弟と呼ばせてもらおう。

「じゃ、弟、よろしく」

トシアキはノリを多少あわせたみたい。

「それにしても嬉しいッス。
いつもやられてばっかりのネエさんを二人がかりで攻めれるなんて」

ん…なんか嫌な予感…。

「ん?」

トシアキの疑問系の相槌。
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