蝉の恋
シャワーからあがり、服を着替え、部屋に戻るとアイツは電話を終え、元の体勢で横になっていた。

「シャワーありがと。

着替えもすんだからアイマスク外しても大丈夫よ」

「あいよ」


「ところで、さ。

電話の声…、バスルームまで聞こえてたよ。

少しは注意しといた方がいいんじゃない?」

今回の電話の相手が誰だったのかは知らないけど…もし、セフレなんかとの会話が彼女に聞かれたら…。

そんな形で彼女にバレるのはちょっと…ね。

可哀想な気がする。

コイツではなくて彼女の立場での話。

コイツがセフレのことがバレて、彼女に愛想を尽かされるのは正直、自業自得だと思う。

でも、彼女を悲しませるのは別。

「あぁ、わかってる。

アイツと一緒に居るときは、ちゃんとした知り合いの電話した取らないから大丈夫だよ」
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