蝉の恋
「そんなことして…怪しまれない?」

コイツはフッと笑って言った。

「怪しませない」

まぁ、コイツがそう言うからにはそうなんだろうな。

それ位のことはできないと、セフレなんて作っていられないんでしょうけど。

そこまでしてセックスがしたいのか雄って生き物は…。

女のアタシには分からない感覚かもしれないけど。

少なくとも、見た目が一定以上なら誰でもいい、なんて考えには同調できないな。

なんかルールがあるみたいな話は聞いたことがあるけど、それにしてもだ。

まぁ、知り合いはセフレの対象にしないらしいから、それは良いことだとは思うけどさ。

「じゃぁ、さっきのは安全な電話なのね」

すぐに答えが返って来ない。

……ん、なんか嫌な間ね。

あ、なんかイヤらしい笑み。

「いいや、もろアウトの電話」

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