こいのうた
信じることが難しい
三年生になると、やっぱり受験がつきもの。
私は、美容の専門学校を志望している。
唯人君は、国際関係って言ってたな。
私は、桜の花びらが舞う窓の外をぼーっと眺めていた。
唯人君とは、隣の席ではなかったけど
私の席が唯人君の席の斜め前だ。
でも、彼は最近、休み時間はいつも不在だ。
今も……
呼び出しされてるんだ。
大学のことで……
きっと。
「相澤さん」
ぼーっとしていた所で、名前を呼ばれた。
多分……
あの人。
「小池君…」
ほらね。
小池君は同じクラスになってから、やたらと絡んでくる。
席が隣ってこともあるけど、わざと唯人君に見せるみたいに話しかけてくるんだ。
私はこの人が苦手だ。
本当に
心から。
「あれ?唯人またいないんだ。」
「みたいだね…」
「じゃあ、今相澤さんを落とすチャンスってわけだ。」
「………」