こいのうた
「夜深。夜深が元気がないと、俺も元気じゃなくなるんだよ?」
唇を離すと、唯人君はおでことおでこをくっつけて言った。
「俺は大丈夫だから、辛いことは言って?」
唯人君はやけどをした私の右手に転がってしまった
氷の入った袋を乗せた。
私は唯人君をチラッと見た後、せっかく乗せてくれた袋をどかしてもう一度唯人君を見つめた。
「……唯人君はほんとに平気?」
「うん。何でも聞く。」
私は一つため息をついて“あの話”をし始めた。