こいのうた
「とにかく!次体育だよ!!バスケだから佐野君と同じチームになれたらいいね~」
「うん!!」
……佐野君?
佐野って、うちの学年に、唯人君しか……いないよね?
てゆうか、唯人君だ…
チラッと中村さんの方を見ると、今度は彼女と目があった。
嫌な微笑みを向けられて、思わず私は固まってしまった。
全部、私に聞こえるように言ってたんだ。
「っ……」
私は、涙が溢れそうになるのを必死でこらえて、更衣室を後にした。