こいのうた
分かった…
気まずいのは、私が唯人君以外の人にドキドキしちゃってるからだ。
罪悪感なんか感じて…
会いたいのに避けて……
「唯人君……会いたい…」
私はボソッと呟いた。
今、唯人君が目の前にいて、私を抱き締めてくれたら…
もうよそ見なんてしないのに…
雅人君へのドキドキは、恋なんかじゃないって
きっぱり言えるのに……
「ハァ……」
こんなとき、お母さんがいたら……
なんて考えちゃう。
帰ってきてくれたら……
「…帰って来るわけないのにね……」
私は晴れた空を見上げた。
真っ青な空に直線の飛行機雲がかかっている。
何だか、それを見ていると寂しさが込み上げてきて
見ている景色が涙でぼやけ始めた。