こいのうた
唯人君が私の髪を乾かしてくれている。
髪に唯人君の指が触れてる……
優しく乾かしてくれているから、何だか眠くなっちゃうな…
あー…やっぱり、唯人君が好き。
ほら、雅人君のことは好きっていう感情じゃないんだよ。
私は唯人君が好き。
「夜深?眠いの?」
乾かし終わったのか、唯人君はいつの間にかドライヤーのコンセントを抜いて片付け始めている。
「うん。眠くなっちゃった…」
「…かわいいな」
「えー…?」
「本当だよ。なぁ夜深」
「ん?」
唯人君はうとうとしている私を抱き締めながら、乾かしたばかりの髪を優しく撫でた。
「帰んないで。今日は泊まって行って…」
「いいの?」
「うん。今日は、そばにいて…夜深が学校に来なかった分、充電させて…」
「唯人君がいいって言うなら泊まる!!」
私はクルッと振り向いて腕を唯人君の首に回した。