こいのうた
そのままギューッと抱き付いて、唯人君に体重をかけた。
「ちょっ…夜深…うわ」
バタッとそのまま唯人君を押し倒した。
「夜深?」
「…ごめんね、私…学校さぼっちゃったよ…」
「うん。知ってる」
「…っ…なか…むら…さ…」
「夜深?どうした?」
やだ…私…
泣いてる…
「夜深?」
「…ごめんなさ…私…」
泣き止め。泣き止め…
唯人君の上に馬乗りになっている私は止まらない涙をひたすら拭った。
泣き止め…
「…夜深」
「っ…キャッ」
唯人君は、泣き止まない私の名前を呼んで
突然、腕を引っ張った。
ポスッと唯人君の胸に顔を埋める。
「唯人君…」
「中村さんには、ちゃんと断った。今日、呼び出されたんだ。」
「…また…抱きつかれたりした?」
私は唯人君の胸に顔を埋めたまま、いじけたような声で言った。