こいのうた
一気に体の力が抜ける。
ずるい。
そうやって、唯人君はいつも私を奪っていく。
心も、身体も……
「夜深…本音言うと、寂しいんだ…」
唯人君はそう言いながら、私のTシャツの中に手を忍ばせる。
「夜深がかわいいってのもあるよ、もちろん。でも、今日は夜深といる時間が少なすぎて…死にそう…」
いつの間にか、私の着ていた服は唯人君に綺麗に剥がされていた。
「唯人君……ごめんね…」
私は唯人君の首に腕を絡めた。
そして自分から唇を重ねる。
「唯人君……好き…」
「夜深…俺も…好きだよ」
私達は一晩中、お互い好きを言い合った。
そして私は、唯人君に「ごめんなさい」と謝り続けた。
寂しい思いをさせてしまったことに対してと……
唯人君以外の男の人に少しでも惹かれたこと……
だけど、唯人君が強く抱いてくれたから…
その罪悪感も、少しは和らいだんだ……